<前回までのあらすじ>
昨年より挑戦中のママと双子の、デアゴスティーニの『おしえて!おしゃべりガイコツ』。人体模型を組み立てながら、からだの構造だけでなく、からだのしくみ、病気や治療の最前線、人間の能力などまで網羅する、『おしえて!おしゃべりガイコツ』の奥深さを知るママであった…。
双子9歳、思春期のはじまりであることを母は知る
学校の保健体育で、男女の性行為について説明があるのは小学4年生らしいが、兄や姉がいる友達から伝達され、おおまかに察するのは小学2~3年生からのようだ。思えば自分が小学生の頃もそうだった。大阪から埼玉に転校してきた男子が、みんなに男女の性行為について話してくれたけど、それを聞いた私は衝撃を受け、「ウソだ、ウソにちがいない」と思った。あのころ、「おしゃべりガイコツ」のような楽しい教材があれば、……けっこうすんなり納得できたにちがいない。
息子が持つ“コンジキに輝くボール”は非常に大切なもの
1億分の2で勝ち抜いた二卵性の双子なのだ!!
ヒトの受精卵は、母体の中で40億年の進化をたったの40週で再現しながら成長すると言われている(ザ・神秘!)。なので、卵の状態から発生するときの形は、みんな小さなお魚みたいな形をしているのだ。
さらし木綿の腹帯は、双子妊娠中のママの神アイテム
双子がお腹の中にいたとき、やせっぽちだった私の腹回りは1メートルを越えた。机の前にすわると、出ている腹が邪魔をして、パソコンを打つのも、ごはんを食べるのも、手を思いっきりのばさないと無理だった。
当然ながら、骨盤の開きぐあいも半端ではなく、歩くのもグラグラ、グラグラして、こりゃまずいなーと思っていたところ、百戦錬磨の助産師さんから「腹帯は骨盤に巻け」というアドバイスがあったのである。
助産師さんいわく、昔ながらのさらし木綿がもっとも使いやすい、しかも通常は半幅に折って腹に巻くところを、三つ折りにして骨盤にきゅっと巻くのが良いと。その通りにやってみたところ、ゆるんでいたネジが締まったように動きやすく、とっても楽ちんだった。しかもこの方法で骨盤を適度に締めていたため、産後の体型の戻りも早かった。あなどるまじ、さらし木綿。
そんなことを思い出しつつホネッキーの骨盤パーツを組み立てる。
骨盤終了。さあ、いよいよ内臓を骨組の中に入れますよ~!
クマノミは生まれたときは全員オス、これ常識!!
「寝かしつけも命がけやで」ママ友の言葉が蘇る
さて、52号は「あかちゃんのふしぎ」、53号は「遺伝」と、人間の誕生にかかわるテーマが続く。赤ちゃんが生まれてから一年までの間にできるようになることなどが、絵とともに解説されており、「だよね、だよね」と読みながら、うちの双子が赤ちゃんだったころの記憶も蘇るのだった。
双子が生後2ヵ月の頃。ママ友のひとりが、顔面にプロテクターを装着した写真をメール添付してきたことがあった(その頃はまだLINEというものがなかった)。
我が子を添い寝でトントンして寝かしつけていたら自分が先に眠ってしまい、寝返りを打った赤ちゃんの足が「かかと落とし」の恰好で顔面に強打。鼻骨骨折してしまったというのである。
その写メールには「寝かしつけも命がけやで」という文が添えられていた(カッコいい…)。
うちの双子も、5ヵ月をすぎるとそれまで一枚の布団に横一列で寝ていたのが、寝返りを打って四方八方に転がるようになり、気がつけば布団からはみ出て畳の上をごろごろと転がり、ふすまへ到達。例の「かかと落とし」の要領でふすまをがんがん蹴るようになった。
ふすまがドンドンという音が鳴るのが面白いらしく、きゃっきゃっと喜んでは蹴りを繰り返す。二人だけにそのふるまいが二倍というより二乗になるのだった。
しばらくして、息子がはらばいで腕のみで進むほふく前進を始めた。ネットで調べると「ずりばい」とある。少し怖いことも書いてあった(ネットの見すぎはよくないですよね、とくに赤ちゃんの発達関係、病気関係)。腕力が強く、どこまでも行けてしまったせいで、足を使うということが思いつかないのだと自分に言いきかせ、見守った。
その横で娘は四つん這いになり、ゆらゆらと前後に揺れながら、静かに刃物を研ぐように運感覚に磨きをかけていた。そして突然、完璧でうつくしい「はいはい」を始めたのである。私はうれしくて拍手するのと同時に、「息子は大丈夫か」と心配になった。
息子が、その手があったかと「はいはい」をし始めたのは、それからひと月も後のこと。同じ日に生まれ同じ環境で育っているのに、「はいはい」をはじめるのがひと月もずれるなどと、思いもしなかったから、かなり、気をもんだ。
結局、「はいはい」どころか、体格も、性質も、発達のスピードも、双子なのにまったく違うのだった。それは遺伝子の組み合わせのちがいがなせる技なのだと、今なら冷静に考えられる。
そして、ホネッキーを組み立てて、『おしえて! おしゃべりガイコツ』の冊子で一緒に学びながら、「あ あれはこういうことだったのか」と、腑に落ちることの連続である。
ホネッキー組み立ての時間は、新生児の子育てに必死だった自分と、生存競争のサバイバルを経験してきた双子を、「よくやったな」と言祝ぐ、そんな時間でもあるのだった。
<つづく>
埼玉育ち、大阪在住。9歳男女の双子の母。無類の犬好きで、著書に『白い番犬チルー』(幻冬舎)などがあるが、未熟児で生まれたわが子たちの発育過程を目の当たりにし、人体の神秘にも感銘を受ける。その育児エピソードは、たるいしまこさんの絵と中村翔子さんの作で、『おはなしカイとナツ あるふたごちゃんのものがたり』(リーブル)という絵本になっている。年中無休自営業のすき間に、週一で剣道をするのが何よりの発散。
デアゴスティーニの人体模型を双子と一緒に最後まで作ってみた~!vol.1
デアゴスティーニの人体模型を双子と一緒に最後まで作ってみた~!vol.2
デアゴスティーニの人体模型を双子と一緒に最後まで作ってみた~!vol.3
デアゴスティーニの人体模型を双子と一緒に最後まで作ってみた~!vol.4
デアゴスティーニの人体模型を双子と一緒に最後まで作ってみた~!vol.5
デアゴスティーニの人体模型を双子と一緒に最後まで作ってみた~!vol.6
デアゴステイーニの人体模型を双子と一緒に最後まで作ってみた~!vol.7
デアゴステイーニの人体模型を双子と一緒に最後まで作ってみた~!vol.8