いよいよ最終回!!1年がかりでホネッキーが完成
<前回までのあらすじ>
内臓系はすっかり整ったホネッキーの骨に取り組むママと小4のふたご。手と腕の取り付けをしているときに、奇しくも息子が骨折。より深い学びを得ることになった。そして、約1年に渡るデアゴスティーニの『おしえて!おしゃべりガイコツ』の組み立ても、最終号の70号をもって終了するのである……。
「内臓がないぞー」ホネッキーのダジャレが聞こえる……
……っと、その前に、いったん内臓をはずさなアカンみたいです。まず食道を喉元からはずして、あとはお腹の下からごそっとまとめて取ります。
ホネッキーは12歳男子。だけど、”アレ”はないのです
娘の知識あふれる…「ウマは中指の爪だけで立つ」
(このとき、私=母はとんねるずのタカさんが闘牛に挑戦していたときのことを思い出していたが、娘は世界の果てまでイッテQのイモトを思い出していたようだ)
ホネッキーが立った!ホネッキーが立った!(感涙)
さて、いよいよ最終号の組み立てに突入!!
分かち合いたいこの喜び!全国のホネッキーを組み立てた人と
そもそも、「おしえて! おしゃべりガイコツ」は、理科の実験室にあるような本格的な人体模型を、子どもの力で作れるように工夫されたキットである。
我が家の双子も、組み立てている間に小学3年生から4年生になり、「理科」や「保健体育」の授業で、生き物や人体についての知識がリンクするようになってきたので、年齢的にはジャストだったかなと思う。
とか
と、いうようなこともありながら、着々と仕上がっていく人体模型が、一般家庭の片隅にころがっている姿は、なかなかおもろい光景だったとも思う。
ホネッキーがくれた親子の時間に感謝!
このコラムで双子(とくに息子)の言動を読んで、「近い将来うちの子もこんなこと言い出すのかしら」「いくらなんでも、こんなに、うんこ、しっこ、チンチンばっかり言わないだろう」と感じたママさんたちもおられることだろう。
私もそう思っていた。
双子がつかまり立ちを始めた赤ちゃんの頃。
二連のベビーカーにのせて外に出ると、近所の子どもたちがワッと寄ってきた。うちにいた紀州の雑種犬チルーも同行して、おおぜいで散歩するのが日課だった。
子どもたちは前に後ろになりながら、質問してくる。
「どれくらい寝るん?」
「肉、食べる?」
「一日何回うんこする?」
「カマキリ食べる?」
「石、食べる?」
「なんで毛ぇ抜けるん?」
「わ、ヨダレたれたで!」
双子に関する質問と、犬に関する質問が重複していた。子どもにとっては、犬も赤ちゃんも興味深い生きものであることに変わりないのだ。
やがて、双子が家の中で二足歩行をし始めた。息子は「だー」と言いながらジャッキー・チェンの酔拳のように無軌道な動きでよろめいている。娘は火星人声で「れろれろれろれろ」と言いながら手を前に出し、ロボットダンスのような角ばった動作でせまってくる。
同じ日に生まれて同じ環境で育っても、歩く際のカマエとハコビが見事に違った。共通しているのは、あまりにも不安定であるということで、「生まれたての鹿」の雰囲気が、正味ひと月は続いた。ヒトの親は、なんて大変なのだろう! とこの時思った。人体模型をつくりながら、「さもありなん!」と、あとで思った。
双子が少しは歩くのが達者になった頃、初めて靴をはかせて散歩に出ると、近くの公園で顔なじみの小学生男子がふたり、ブランコで遊んでいた。
はげしく立ちこぎをしているため、ブランコはぐるんと一周しそうな勢いだ。双子は立ち止まってその光景を凝視する。まったく動かず、くもりのない眼でじっと見つめる。すると、ブランコをこいでいた小学生男子のうちのひとりが叫んだのだ。
「やべえ、めっちゃチンチン見られとる!」
私は苦笑しながら双子の手をひいて帰路についた。
家の前の路地ではいつものように近所の子どもたちが遊んでいる。近寄ると、小学生男子のひとりが唐突に言った。
「俺、K君(息子の名前)のチンチン見たことあんで」
あ! そういうことか!
近所の子どもらにとって興味ぶかい「生きもの」であった双子は、靴をはいて二足歩行をするようになり、彼らの「仲間=ライバル」となったのだ。まだおむつを着けているからウッカリ赤ちゃんだと思っていたが、双子はすでに幼児になっていた。そのことを、小学生男子のチンチン発言に教えられたのである。
子育ての感慨は、意外なところからやってくるものだ。
そしてそれは、時間差をもって、じーんときたりもするものだ。
双子が小学生になり、一緒に人体模型を組み立てながら、赤ちゃんという生き物の前で右往左往していたころの自分を思い出し、このコラムでちょいちょい書いてきた私の「双子子育て」エピソードが、みなさまの何かしらのお役に立つことを願い、この連載を終了します。
最後に、ホネッキーよ、親子の理系時間をプレゼントしてくれて、ありがとう!!
埼玉育ち、大阪在住。9歳男女の双子の母。無類の犬好きで、著書に『白い番犬チルー』(幻冬舎)などがあるが、未熟児で生まれたわが子たちの発育過程を目の当たりにし、人体の神秘にも感銘を受ける。その育児エピソードは、たるいしまこさんの絵と中村翔子さんの作で、『おはなしカイとナツ あるふたごちゃんのものがたり』(リーブル)という絵本になっている。年中無休自営業のすき間に、週一で剣道をするのが何よりの発散。
デアゴスティーニの人体模型を双子と一緒に最後まで作ってみた~!vol.1
デアゴスティーニの人体模型を双子と一緒に最後まで作ってみた~!vol.2
デアゴスティーニの人体模型を双子と一緒に最後まで作ってみた~!vol.3
デアゴスティーニの人体模型を双子と一緒に最後まで作ってみた~!vol.4
デアゴスティーニの人体模型を双子と一緒に最後まで作ってみた~!vol.5
デアゴスティーニの人体模型を双子と一緒に最後まで作ってみた~!vol.6
デアゴステイーニの人体模型を双子と一緒に最後まで作ってみた~!vol.7
デアゴステイーニの人体模型を双子と一緒に最後まで作ってみた~!vol.8
デアゴステイーニの人体模型を双子と一緒に最後まで作ってみた~!vol.9
デアゴスティーニの人体模型を双子と一緒に最後まで作ってみた~!vol.10