デアゴスティーニの人体模型を双子と一緒に最後まで作ってみた~!最終回

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      いよいよ最終回!!1年がかりでホネッキーが完成

      <前回までのあらすじ>
      内臓系はすっかり整ったホネッキーの骨に取り組むママと小4のふたご。手と腕の取り付けをしているときに、奇しくも息子が骨折。より深い学びを得ることになった。そして、約1年に渡るデアゴスティーニの『おしえて!おしゃべりガイコツ』の組み立ても、最終号の70号をもって終了するのである……。

       

      「内臓がないぞー」ホネッキーのダジャレが聞こえる……

      ママ
      さー! まずは前回組み立てた、ホネッキーの両脚を胴体に取り付けるよ!

      ……っと、その前に、いったん内臓をはずさなアカンみたいです。まず食道を喉元からはずして、あとはお腹の下からごそっとまとめて取ります。

      「内臓がナイゾー」とダジャレを言っているであろう、ホネッキー 仙骨・尾骨に、骨盤を取り付けます 左右両方の骨盤を取り付けました 背中側は、透明の固定パーツにネジ止めします。ネジ止め作業は大人がしたほうが良いです。4か所ネジ止め完了 内臓入りまーす。この時点で、ホネッキーの体としては完成しています。 下半身固定棒と下半身固定パーツを組み立て、ホネッキーの背中側で固定棒にガッチリ固定! いぇーい

       

      ホネッキーは12歳男子。だけど、”アレ”はないのです

      息子
      あれ? チンチンは? ホネッキーは男子やろ?
      ママ
      あ、チンチンには骨がないので、人体模型のホネッキーにはチンチンがないのです
      息子
      まじかよー
      ママ
      ご期待にそえず、ごめんな。いちおう、12歳の男の子という設定の人体模型ですけど
      身長は90センチでしょ
      ママ
      ちょっと縮小サイズなのよね
      このぐらいのほうがかわいいよね
      息子
      チンチンなしかよー
      ママ
      にしても、こうやって見ると、上半身に内臓がぎっしりつまってて、下半身は細い脚2本で支えているという……つくづく、人間のバランスってどうなん!?…と思うね
      息子
      そういやオレ、さっきテレビで二足歩行ロボットがジョギングしてるの見た
      ママ
      私たちがなにげなくやるジョギングも、ロボットにやらせようと思うと、とてつもない研究、時間とカネが必要なわけで、できたら大ニュースなわけよ
      だったら4本足でいいよ、ロボットなんだから
      ママ
      まあ、そう言うな
      機動性という意味では、4本足のほうがすぐれてるでしょう。で、4本足の動物にも、いろんなタイプがあるって知ってる?
      ママ
      え、何?

       

      娘の知識あふれる…「ウマは中指の爪だけで立つ」

      たとえば、クマとかサルは、人間と同じようにかかとまでベッタリ地面につけて歩くタイプ。安定性はあるけど、あまり速くは走れない。ネコちゃんや、トラ、ライオンなどネコ科の動物の多くは、かかとをつけずに指だけを地面につけて歩くタイプ。速く走ることもっゆっくり歩くことも得意
      ママ
      いつもかかとを上げてるってこと?
      息子
      すげー。トレーニングかよ
      ママ
      そういうあんたは、つかまり立ちしたての赤ちゃんの頃、ずっとかかとを上げて立っていたよ。心配したんだよね、はいはいもずりばいだったしさ…。かかとをつけて、立てないのかしらって。いつのまにか、かかとをつけて立ってたな、そういや
      心配してたのか、してへんのか、わからん
      ママ
      君ら双子だったからサ、とにかくかあちゃんは、お世話が大変すぎて、かかとが上がってることについて悩んだり検索したりする時間と体力がなかったんだよね、幸いなことに
      息子
      そういうもんかよー
      ママ
      だって、でべそも、ずりばいも、結局スルーして正解だったし
      息子
      オレはたぶん、かかとを上げて、走ろうとしてたんやな
      ママ
      そのおかげで今、足が速いんだよ
      でも、いちばん速く走れるのは、つめだけで歩くウマやウシやで
      ママ
      こっちはバレリーナみたいな爪先立ちってことね
      たとえば、ウマは中指の爪だけで立っています

      息子・ママ
      えーっ

      ま、爪って言っても、強化されたひづめだからね
      ママ
      ひづめが爪だっていうことがショッキング
      息子
      ウシって走ったら速いのかな
      速いやろ、闘牛の牛とかめちゃ速いやん

      (このとき、私=母はとんねるずのタカさんが闘牛に挑戦していたときのことを思い出していたが、娘は世界の果てまでイッテQのイモトを思い出していたようだ)

       

      ホネッキーが立った!ホネッキーが立った!(感涙)

      さて、いよいよ最終号の組み立てに突入!!

      座って完成でもぜんぜん良かったんですけど、最終号では立っていただくことに。要するに棒を一本追加です わー、立った!立った!(わが子がつかまり立ちした時のような感動) 羽交い絞めにされているのではございません。スカーフをつけてもらっています スカーフを整えて… レッツ、ダンス!!

       

      分かち合いたいこの喜び!全国のホネッキーを組み立てた人と

      ママ
      いやあー、かわいいな♥ホネッキー
      できるもんだねえ、かあちゃんにも
      息子
      オレらががんばったからやろ
      ママ
      全国に何人ぐらいいるかな? この達成感を味わってる人…
      うーん、4人くらい?
      息子
      もっとおるやろ!
      (デアゴスティーニの)社員の人と、そのお友達と、これ考えた人と、お母さん
      ママ
      いやいやいや、もうちょっといるでしょう。ま、何人でもいいよ、その方々と分かち合いたいな、この喜びを

       

      そもそも、「おしえて! おしゃべりガイコツ」は、理科の実験室にあるような本格的な人体模型を、子どもの力で作れるように工夫されたキットである。

      我が家の双子も、組み立てている間に小学3年生から4年生になり、「理科」や「保健体育」の授業で、生き物や人体についての知識がリンクするようになってきたので、年齢的にはジャストだったかなと思う。

      えー。ホネッキーやるの~? おやつ食べてからでいい?

      とか

      息子
      オレ、野球行ってくる。やっといて!

      と、いうようなこともありながら、着々と仕上がっていく人体模型が、一般家庭の片隅にころがっている姿は、なかなかおもろい光景だったとも思う。

       

      ホネッキーがくれた親子の時間に感謝!

      このコラムで双子(とくに息子)の言動を読んで、「近い将来うちの子もこんなこと言い出すのかしら」「いくらなんでも、こんなに、うんこ、しっこ、チンチンばっかり言わないだろう」と感じたママさんたちもおられることだろう。
      私もそう思っていた。

      双子がつかまり立ちを始めた赤ちゃんの頃。
      二連のベビーカーにのせて外に出ると、近所の子どもたちがワッと寄ってきた。うちにいた紀州の雑種犬チルーも同行して、おおぜいで散歩するのが日課だった。

      子どもたちは前に後ろになりながら、質問してくる。

      「どれくらい寝るん?」
      「肉、食べる?」
      「一日何回うんこする?」
      「カマキリ食べる?」
      「石、食べる?」
      「なんで毛ぇ抜けるん?」
      「わ、ヨダレたれたで!」

      双子に関する質問と、犬に関する質問が重複していた。子どもにとっては、犬も赤ちゃんも興味深い生きものであることに変わりないのだ。

      やがて、双子が家の中で二足歩行をし始めた。息子は「だー」と言いながらジャッキー・チェンの酔拳のように無軌道な動きでよろめいている。娘は火星人声で「れろれろれろれろ」と言いながら手を前に出し、ロボットダンスのような角ばった動作でせまってくる。

      同じ日に生まれて同じ環境で育っても、歩く際のカマエとハコビが見事に違った。共通しているのは、あまりにも不安定であるということで、「生まれたての鹿」の雰囲気が、正味ひと月は続いた。ヒトの親は、なんて大変なのだろう! とこの時思った。人体模型をつくりながら、「さもありなん!」と、あとで思った。

      双子が少しは歩くのが達者になった頃、初めて靴をはかせて散歩に出ると、近くの公園で顔なじみの小学生男子がふたり、ブランコで遊んでいた。

      はげしく立ちこぎをしているため、ブランコはぐるんと一周しそうな勢いだ。双子は立ち止まってその光景を凝視する。まったく動かず、くもりのない眼でじっと見つめる。すると、ブランコをこいでいた小学生男子のうちのひとりが叫んだのだ。

      「やべえ、めっちゃチンチン見られとる!」

      私は苦笑しながら双子の手をひいて帰路についた。

      家の前の路地ではいつものように近所の子どもたちが遊んでいる。近寄ると、小学生男子のひとりが唐突に言った。

      「俺、K君(息子の名前)のチンチン見たことあんで」

      あ! そういうことか!

      近所の子どもらにとって興味ぶかい「生きもの」であった双子は、靴をはいて二足歩行をするようになり、彼らの「仲間=ライバル」となったのだ。まだおむつを着けているからウッカリ赤ちゃんだと思っていたが、双子はすでに幼児になっていた。そのことを、小学生男子のチンチン発言に教えられたのである。

       

      子育ての感慨は、意外なところからやってくるものだ。
      そしてそれは、時間差をもって、じーんときたりもするものだ。

      双子が小学生になり、一緒に人体模型を組み立てながら、赤ちゃんという生き物の前で右往左往していたころの自分を思い出し、このコラムでちょいちょい書いてきた私の「双子子育て」エピソードが、みなさまの何かしらのお役に立つことを願い、この連載を終了します。

      最後に、ホネッキーよ、親子の理系時間をプレゼントしてくれて、ありがとう!!

       

      ホネッキーよ、ありがとう!

       

       

      岡田桃子

      埼玉育ち、大阪在住。9歳男女の双子の母。無類の犬好きで、著書に『白い番犬チルー』(幻冬舎)などがあるが、未熟児で生まれたわが子たちの発育過程を目の当たりにし、人体の神秘にも感銘を受ける。その育児エピソードは、たるいしまこさんの絵と中村翔子さんの作で、『おはなしカイとナツ あるふたごちゃんのものがたり』(リーブル)という絵本になっている。年中無休自営業のすき間に、週一で剣道をするのが何よりの発散。

       

      デアゴスティーニの人体模型を双子と一緒に最後まで作ってみた~!vol.1

      デアゴスティーニの人体模型を双子と一緒に最後まで作ってみた~!vol.2

      デアゴスティーニの人体模型を双子と一緒に最後まで作ってみた~!vol.3

      デアゴスティーニの人体模型を双子と一緒に最後まで作ってみた~!vol.4

      デアゴスティーニの人体模型を双子と一緒に最後まで作ってみた~!vol.5

      デアゴスティーニの人体模型を双子と一緒に最後まで作ってみた~!vol.6

      デアゴステイーニの人体模型を双子と一緒に最後まで作ってみた~!vol.7

      デアゴステイーニの人体模型を双子と一緒に最後まで作ってみた~!vol.8

      デアゴステイーニの人体模型を双子と一緒に最後まで作ってみた~!vol.9

      デアゴスティーニの人体模型を双子と一緒に最後まで作ってみた~!vol.10 

      デアゴスティーニの人体模型を双子と一緒に最後まで作ってみた~!vol.11

      中学受験にも役立つ!?デアゴスティーニ・ジャパン週刊『おしえて!おしゃべりガイコツ』ママ&キッズモニター報告