PTAとは!委員・役員活動に保護者は参加しなくちゃダメ?小学校PTAのホント

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PTAとは、何をやるのか、一体どんなふうに大変なのかイマイチわかりにくいですよね。

Webニュースでは「PTAうつ」とか「PTAでママカーストが決まる」なんて記事もあったりして、入学前から憂うつになっている保護者も多いのでは…?

6年生の娘のPTA委員を2年生で終え、新1年生の息子のPTAがこれから待ち構えている私の実体験をふまえて、PTAのホントのところをお教えしたいと思います。最後にその後の追記として、6年生の委員を経験した感想も記載しています。

そもそもPTAとは?

PTAとは

PTAとはParent-Teacher Associationの略。各学校ごとに組織された保護者と先生による社会教育関係団体のことをいいます。活動の目的は子どもの学習環境を整えること。

大きな特徴は営利を目的としないボランティア活動であるという点。そして加入は強制ではなく任意。戦後アメリカの教育専門家の指導、支援で全国的に広まったとされています。

PTAは何をするのか?というと、ひと言でいえば「子どもが学校生活を送るために必要な活動」を保護者と先生が協力して行う組織というところでしょうか。

引用:公益社団法人日本PTA全国協議会「はじめましてPTA」

PTA活動のメリットを考える

私が思うPTAのメリットは、子どもを学校と先生任せにしない視点や姿勢を持てる、というところだと思います。

定期的に保護者が学校に行くことで、学校や教室の雰囲気、先生の子どもへの接し方、学校に関わる保護者の雰囲気などがよくわかるようになります。

また自分の子どもの、家庭で見せる顔とは別の「学校での顏」を見ることができます。学校での様子がわかると、疑問点や問題点も把握しやすくなります。PTA活動に参加してみて初めてわかるメリットがたくさんあるんです。

PTA活動があるなら、とりあえず協力できそうなところから参加してみる。ちょっとがんばる。でも無理はしない。自分も楽しむ。そんな心構えでいいんじゃないかな、と私は思っています。

PTAはいらない?保護者の声とPTA改革【アンケート調査】

PTA活動内容は学校単位

PTAとは
最近ではPTAを廃止した学校もあるようですが、日本では多くの小学校にPTAは存在しています。具体的にはどんな活動をしているのでしょうか。

PTA活動の内容は学校ごとに違う!

同じ公立小学校でも、たった数百メートル離れた隣の学校でも、活動内容が全然違ったりします。違う学区のママと話していると、「えぇっ!そんなことまでやるの?」とか、「それはラクそうね~」なんて驚くことがあります。

いろいろな話を聞いているうちに、この活動内容の違いは、どうやら学校方針以外にも、地域性や町内会、子ども会の有無や位置づけがかなり大きく影響しているのでは…?と思います。

たとえば、昔からの住人や二世帯住宅が多かったり、学区のほとんどが住宅地の学校では、町内会が強いところが多いんです。PTAと町内会って、何か関係があるの?と思いますが、これが大アリなんですよ!

地域とのつながりもPTAの活動

町内会が強いということは、PTA主催のイベントで町内会に協力をお願いすることがあるということ。

地域の方に昔の遊びや郷土料理を教えてもらったり、通学路の見守りをお願いしたり…と、町内会と連携しないとできないことが結構多いんですね。

となると、PTAとしても町内会の活動に協力しないわけにはいきません。町内会の会合や町内運動会など行事への参加、夏祭り、収穫祭…など子どもが楽しめるイベントでは常に連携することになります。

学区内に2つ、3つと町内会がある場合は、協力することも倍増!複数の町内会の方たちと「仲良く活動すること」も、PTAの仕事のひとつになります。

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逆に、学区のほとんどが商業地域だったり、新興住宅街で町内会の存在感が薄いとか、子ども会がない、といった地域では状況がまったく違うことも。

地域との連携がなければそれに関連するイベントもなくなるので、そのぶんPTA活動もラク、なんて話も聞きます。

PTAと地域とのつながりが強いか弱いかは、その学校に入ってみなければわからないので、参加してみて初めて、その仕事の多さに驚きます。

子どもにとっては楽しい行事がいっぱいでありがたいのですが、親は裏方としてたくさん協力をしなければいけません。

「近隣の学校とぜんぜんPTA活動の負担具合が違う!」という場合は、こういうパターンがあるということが考えられます。

PTA「委員」「役員」の種類と仕事内容

PTAとは

PTAには大きく分けると2つの係があります。それが専門委員本部役員です。保護者には「委員」と「役員」といわれています。

「委員」「役員」以外のPTA参加者は一般会員となります。一般会員もPTA総会への参加(委任状提出もOK)や通学路での見守り、横断歩道の旗振りなど役割があります。

では混同しがちな「委員」と「役員」では、何がどう違うのでしょうか。
※名称は各PTAによって異なるケースもあります。

PTA専門委員

PTA専門委員とは、各学年から数名選出。月に1度程度の委員会定例会への参加と、イベントの担当になった場合は動員がかかります。学校によっても違いますが専門委員には以下のような種類があります。

学年学級委員

クラス懇談会の司会・書記・集金、親睦会や講演会の企画・運営、ベルマークやリサイクル品のとりまとめなどを担当します。

広報委員

広報誌の作成、運動会など行事の写真撮影や冊子作成、ホームページの更新作業なども行います。

健康(保健)委員

健康に関する講演会の企画・運営。給食試食会の実施、校内の花壇の受け替えなど環境整備などを行います。

校外委員

通学路の安全確認、登校班のとりまとめを行います。また、地域や警察との連携・意見交換などを行うPTAもあります。

私が経験した学年学級委員の仕事のひとつに、年に2度あるクラス懇談会の司会進行がありました。正直、「1時間、何をして過ごそう…?」とかなり戸惑いました。

結局、『自己紹介』と『先生に質問コーナー』をやり、それなりに、こじんまーりと盛り上がったような気が…。

驚くことに、人気のある好青年先生のクラスでは、懇談会の参加率が高い、高い!「彼女はいますか?」「好みのタイプは?」なんて質問も出てきて、先生、保護者たちに囲まれて苦笑いでした。

そんなこともあって、次第にクラス懇談会の意義が薄れてきたようで、数年後にはクラス懇談会自体がなくなりました。

懇談会のためにわざわざ仕事を休んで来る保護者もいるので、見直されるのは当然ですね。意義がよくわからないイベントは、PTAアンケートに書けば開催がなくなる可能性もありますよ。

PTA本部役員

PTA本部役はPTA全学年の代表です。月に1度程度の実行委員会への参加に加え、役割ごとに仕事があります。

役員は、委員よりさらに多くの仕事と責任が発生します。中でも特に大変といわれているのが「代表」です。

代表

代表は3名程度選ばれます。すべてのPTA業務の統括を担当します。PTAによっては会長、副会長の名称がつくこともあります。

書記

書記は、保護者2名+教職員1名程度が選出されます。議事録作成やイベントの記録、書類の作成などを担当します。

会計

会計はPTA会費の管理を担当します。

代表は「PTA連合」全国大会へ参加も

代表経験者の保護者によると、年度終わりの3月から年度初めの5月ごろまでの時期は特に忙しいそう。4~5月は、役員はいろいろなPTA会合やPTA総会に出席します。

「PTA連合」ってご存知ですか?
よく耳にはするけれど、実生活にまったくなじみのない団体ですよね。役員になると、その「PTA連合」の集まりに行かなければなりません。

PTAって驚くほど組織がピラミッド化されていて、学校→区→市→地区→県→ブロックときて、最後にトップの日本PTA全国協議会があります。

役員はこれらの総会に、分担して参加することになります。出張して全国大会まで行くパワフル保護者もいます!

さらに、警察や自治体の土木事務所と交通安全について話し合う協議会や、有識者を交えた教育関連の協議会なども年に数回あったりします。

それらへの参加は基本、スーツ着用。代表経験のある保護者は、「4月の私の休みは、たった2日よ~!」と嘆いていました。基本的には仕事は分担しますが、専業主婦ママは仕事を持つママの分までフォローすることもあるようです。

「仕事があるのでできません」は理由にならない!

PTAとは
「仕事してるからPTA委員もPTA役員もできないな~」と、なんとなく思っていませんか?でも、働くママが増えている今、「仕事が~…」だけでは、断る理由としてはちょっと弱いかもしれません。

PTAの実情

私が委員をやった時は、18人のうち半分くらいのママは仕事を持っていました。パートやアルバイトの人が多く、委員会のときはシフトをうまく調整してみんなできるだけ参加していました。

どうしても参加できないときは、事前に委員長に連絡すれば大丈夫。そのぶん、ほかの人にフォローをお願いします。

フルタイムのママは、やっぱり有給を使っています。子どもも小学生になると体が丈夫になるので、年に何回も病気のために休むこともなくなります。保育園や幼稚園時代に病気で休んだ日数分が、小学校では委員会活動にシフトする感じでしょうか。

委員よりちょっとハードな役員でさえ、多くのママが仕事を持っています。私自身、ほとんど先入観で「仕事をしながら役員もやるなんて、私には無理~!」と思い込んでいました。

ところが実際には、役員ママの半数以上が仕事を持っているそうなんです。その事実を知って、「仕事してても意外とできるものなんだ」と思いました。

「仕事」を言い訳しないママたちが、思った以上に多いんです。ワーキングママが増えている今、 “できるときにきっちりやる”、“できないときはお互いにフォローし合う”というふうにしていかないと、PTAの運営自体がままならなくなってしまうんですね。

もちろん、役員をやる前よりも忙しくなるのは確かですが、「絶対無理!!」と頭から拒否するのではなく、「できるかもしれない」と考える余地は十分あるのではないかと思います。

PTAが辞退できるケースは?

「仕事」が委員や役員をできない理由にならないとすると、じゃあどんな理由なら辞退できるのでしょうか?

時間的に、経済的に…など、本当に困って悩んでいるなら、その理由を正直に話した方が理解されやすいと思います。「面倒だな~」と思っているだけだと、多分、見破られます…(笑)。

例を挙げると、
・体調がよくない、病気を抱えている
・未就園児や障がいのある子どもがいる
・妊娠中
・転居を予定している
・シングルマザー、シングルファーザー(で、かつ親と別居)
・日本語がよく理解できない(片方の親、あるいは両親が外国人)
・生活が困窮している(PTA会費が払えない)

などの理由であれば、「できなくても仕方がないね」と理解されることが多いです。
その場合でも、明確に“免除”されるということではなく、「理解されやすい」というのが現状です。

ただし、児童数が少なく、1人の子どもにつき何度も委員をやらなければいけない学校の場合は、そのぶんほかの人に負担がかかっている…というのも事実です。

またもう1つの辞退の理由として
・PTA活動を理解できない、必要だと思わないから
というものもあります。

私の個人的な意見としては、それは信条として認められるべきだと思います。そもそもPTAの加入は任意なので、信条を曲げてまで参加する強制力はないはずです。

ただ、その意思が本当に固いのか試される場面は出てくるでしょうね。周りの保護者からの痛い視線を感じることもあるでしょうし、PTA本部の代表から直々に、子どもにとってどれだけためになっているかを説明されることもあるでしょう。

ママ友コミュニティの中でそれらを気にせずにいることは難しいかもしれません。ですがそれでも一本筋の通った信念のもとであれば、納得して(半ば諦めて?)もらえるのではないでしょうか。

PTAは何年生がラク?

PTAとは
「どうせやるなら、ラクな時期にやりたい」って、保護者たちの本音ですよね~。ラクな学年ってあるのでしょうか。

6年間に1回はマスト?

低学年はラクかなと思い、こどもが2年生の時に委員をやったんです。実際、ラクとはいえませんが、てんてこまいというほどではなかった、という感じです。

ウワサでは、「4年生は2分の1成人式があるし、6年生は卒業式関連で大変」って聞きますよね。それって、ある意味当たっていて、ある意味違うんです。

10歳のお祝いに行う2分の1成人式は、主催が学校なのか、PTAなのかで、負担は大きく変わってきます。

学校が主催する子ども中心の式なら、PTAの出番はほとんどありません。娘のときは体育館で子どもたちの発表を楽しく見るだけだったので、親の出し物もありませんでした。

主催がPTAの場合は、そのための仕事が確実にあります。4年時の委員の仕事量が気になる人は、2分の1成人式の主催がどこなのか、は要チェックです。

そして6年時にある“卒業”という一大イベント。PTAが関わるのは卒業式のあとの「謝恩会」です。

まず先生と子ども、親が一同に集まる場所を早い時期に確保しなければなりません。そして会費、内容、記念品の準備…などなど、心身ともに大変な作業です。

一方で、謝恩会をしない学校もあります。その場合はPTAの仕事は他学年とほとんど変わらないのではないでしょうか。

中学受験をするなら5年生までにすべし!

子どもが中学受験をする場合は、親子ともども心の余裕がなくなりがち。親が子どものフォローで精一杯になりそうなら、5年生までに委員か役員を終わらせておいた方がいいですね

中学受験率が7~8割という学校の場合は、低学年のうちから委員の争奪戦になる可能性大です!

最終学年の6年時は、委員をやりたくない人はそもそも懇談会どころか授業参観すら来ないし、来ている人は委員経験者ばかり。

その中で先生が「どなたかやってもいいという方…いませんか?…みなさん目をそらさないで…」と気まず~いムードになります。

PTA規約には「児童1人につき1回以上の委員活動をお願いします」と書かれているので、さすがに2度はやりたくないんですね。私のときは、結局、未経験者だけでくじ引き、という選出方法になりました。

役員選出はさらに大変そうです。通称「役選(役員選出委員)」の保護者たちが、少しでも可能性のある人に、電話で「お願い」をするんです。

役選さんは何人もの保護者にハードルの高いお願いをしなければならないので、人と話すのが苦手な人はストレスがたまりそう。

電話がかかってきた方としては、「いかに上手に断るか」(いえ、断らなくてもいいんですが…)も大切です。私も、自信のなさと仕事の事情を話し、とにかくゴメンナサイ…!と、心を痛めながらもお断りした経験があります。

PTAを受ける回数を減す裏ワザ

委員や役員をできるだけ少ない回数で済ませたい!という人は、回数を減らせる裏ワザ(どこかに明記されていることが多いのですが、知らない人がけっこう多い!)があります。

たとえば、
・1年役員をやれば、在籍している子どもの委員は免除
→子どもが1年生、3年生、6年生に在籍している場合なら、6年時に役員をやれば1年生と3年生の委員・役員はやらなくてOK!

・校外委員をやると、町内会(子ども会)の役割は免除!
→活動が学校と町内会にまたがるため、子ども会の規約に免除項目として書かれていることが!
などがあります。

3人きょうだいなどの場合、学校の委員3回、子ども会3回と計6回もやらなければならないので、それはさすがにツライ!という保護者も多いんです。回数を減らすテクニックを駆使して、少しでも負担を減らすこともできそうです。

PTAって誰のため?「子どものため」でしょう!

PTAとは

PTAの目的に立ち返って、再度何のための活動なのかを考えてみましょう。

PTA活動と保護者たち

私の今までの経験では、PTAにまつわるトラブルはあまり聞いたことがありません。まわりの保護者たちも、すごく協力的だなと思います。

とはいえ、ひとりひとり抱えている問題は違うので、それぞれの胸の内にはいろんな思いがあると思います。
これまでに、私の周りでもこんな保護者たちがいました。

・プレッシャーで精神的に参ってしまい、診断書を持参して委員長を辞退した保護者。
・くじ引きで委員になったものの、とうとう1年間で1度も顔を見せなかった保護者。
・人前に出て話すのが苦手で、大勢の前に立った時に固まってしまった保護者。

いろんな人が集まるPTAでは、こうした問題は必ず起こります。

だからといって、「だからPTAは面倒なのよ」という先入観で「PTAは必要ない」とPTA不要論をかざすのは、「ちょっと待って!」と思います。

現在の小学生をとりまく環境は万全とはいえません。悲しいことに、登下校中の子どもが行方不明になったり、車にひかれる事件や事故も少なくありません。

親としては、こういう事態は絶対に避けたいんです。こんなニュースを聞いた夜は、心配で眠れなくなることもあります。登下校中の見守りは学校だけではまかないきれず、子どもの安全を守るためには保護者や地域の目が必要です。

PTA主催のイベントは、先生や子どもたちの有志が発表するコンサートや秋のいも煮会、地域のお年寄りと一緒にふるさとの昔遊びを楽しむ会など、子どもたちもとても楽しみにしています。

こうした見守り活動やイベントに、PTAという組織を通して、どんな親でもそこに関わることができるのだと思います。

子どものためではないPTA活動はしなくていいと思う!

役員経験の保護者も、「ものすごく大変だけど、子どもたちの笑顔のため、と思えば、たいていのことはがんばれちゃうんだよね」と言っていました。

だから、子どものためではないPTA活動は、どんどんカットしていけばいいと思います。

仕事として決まっている役割を変えるのはなかなか難しいけれど、「親同士の親睦会は必要性を感じない」とアンケートに書くことで変わるかもしれない。無理して委員会後の自由参加ランチに行かなくてもいい。

まとめ

PTAを経験したからこそわかること、私の思いを紹介してきました。みなさんも、子どものためにできることを無理なく協力し、楽しめるといいなあ~と思っています。

ライター:照井みき
もうそろそろ子育てから手を離れそうだけど、ご飯と病気の世話と送迎ではまだ必要とされているらしい、2人の子の母。

<追記>
社会情勢の変化を経て、以前よりだいぶPTA主催の行事が少なくなりました。役割の負担自体もかなり減りました。
実は昨年、6年の委員をやりました。月に2~3回ほど集まり、先生とも話し合い、卒業イベントを主催しました。

結果、とても評判がよく、一安心。カタイ内容より、笑いがたくさん起こる内容がよかったようです。
そして、その時の委員の仲間は、いまだに飲み会で集まる仲になりました。

もちろん集まりは強制ではないんですが、新しい自分の友達ができるのも、役割が大変な6年の委員の醍醐味の一つかもしれません。

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